• なまけ者ですが、地磯のカゴ釣りで大物を狙います。

アカイカ

12月7日
前回の釣行から10日余り、また大物を狙ってのカゴ釣りに行きました。
いつものように朝ゆっくりと家を出ました。

11時頃、釣り場に向かって磯場を歩いていると、「おやっ」いつもと景色が違うような気がします。よく目を凝らして見てみると浅瀬の潮だまりに赤紫色の物体が浮いています。近づいてよく見ると大きなアカイカです。

この場所では、晩秋から冬にかけて荒れた後、凪になった朝などにアカイカが磯に打ち上げられて潮溜まりに取り残されていることがたまにあります。

「ラッキー」「正月料理の具材ができた」と思いましたが、一見して10kg程はあるだろうイカを持ってもう一つ山を越えて釣り場に行くのは大変です、それでなくとも荷物が多いのに。
かといって今来たばかりの坂道をイカを持って車まで戻るというのもちょっと…。

「うーん」、どうしよう。「早く釣りがしたいし」と遅く来たのに身勝手なことを考えていました。
結局、思いついたのは、このあたりに隠しておいて帰りに持って帰ろうということでした。
で、人に見つからないように大きな岩の下に隠しました、また見つかっても持っていかれないように紐で括り、「所有者があるのだ」とアピールしました。
それで安心して釣り場へと向かいました。

その日は北西の風の強い日で、向かい風のため仕掛けが飛びませんでした。
「秋のヒラマサは遠投したらダメだ」とか「ヒラマサは灘(磯際)に沿って泳いでいる」とか都合のいいような理屈を思い出し近投に徹します。

しかし、しかしコッパグレの当たりすらありません。
おそらくタルカゴが風の影響を受けて磯の近くを漂っているのに対して、撒き餌は沖に流れているのだと思います。こんな時は底カゴにしてサシエと撒き餌を合わすのがセオリーですが、なまけ者の自分は仕掛けを作り直すのが邪魔くさくてそのままタルカゴ仕掛けを流します。

二時過ぎ頃、北西の風が南に変わりました、そのおかげで仕掛けがよく飛ぶようになり、サシエと撒き餌が同調するようになりました。
コッパグレが続けて釣れます。釣ってはリリースを繰り返します。
しかし寒い。あまりに風が強くて寒いので、風を避けれる場所に移動しました。
そこは足場が高く視界のいい場所ですが、後ろに大きな岩があるので竿を横にできません。

南風に乗って仕掛けが気持ちよく飛びます。さらに気持ちよく仕掛けが沖に向かってスイスイと流れていきます。「いい雰囲気だ」「これはくるぞ」と思いながら投入を繰り返します。
と、タルウキがスルスルとゆっくり海中に入っていきリールの糸が走りました。
「きたっ」 思いっきり合わせを入れます。が、引きが弱い。
残念ながらヒラマサではなく少し型のいいグレでした。

「そんなうまいこといかんわな」と思い、欲を捨て投入を繰り返します。
帰りのことを考えていました、「あの重たいイカをどうやって持ってかえろうか」とか、「柵切りにして誰にあげようか」とか。

ボーッとしていると、突然竿をひったられ、道糸が物凄い勢いで出ていきます。
リールをロックして合わせを入れようとしましたが魚の勢いが凄くてロックしたとたんに合わすより先にのされてしまいました。

リールの道糸を手で強く引っ張ると道糸が少しずつ出るくらいのドラグ設定をしていますが、まるでドラグが効いてないかのように気持ちよく糸が出ていきます。
スプールを指で強く押さえますが、引きが強くて止まりません。思いっきり指を火傷しました。体重をかけて竿を起こそうとしますが、まるで起きません。

竿をのされたまま、指でスプールを強く押さえているのもおかまいなしに道糸が出ていきます。が、それでも竿を横にして何とか角度をつけようとしますが後ろに大きな岩があってあまり角度をつけられません。
魚との角度は約60°くらいでスプールを指で押さえて溜めますが、道糸の出は止まりません。それでも竿にテンションをかけて魚が弱るのを待ちます。

魚の強い引きに体を反らして耐えます。耐えては糸を出されを繰り返しています。ぎりぎりの駆け引きが長く続きます。

しばらくして、魚の引きが少し弱くなりました。
これは獲れる、そう思った時、貪欲が出てきました。
この大物とアカイカをどうやって持って帰ろうかと。

さらに魚の引きを弱くなり、ぐっと軽くなりました。
「バレたか」と思いましたが、まだテンションはあります。
しかし、ちょっと間をおいて魚が向きを変えるのが分かりました。
と、その時完全にテンションが無くなりました。
「バレた」とはっきり分かりました。思わずその場にしゃがみこんでしまいました。(´;ω;`)ウゥゥ

仕掛けを回収してみると針は残っています。
リールをロックした時、あまりに走りが凄すぎて合わせることができなかったのが原因で、ガッチリと口元に針が掛かっていなかったみたいでした。
あと、貪欲をだしたらだめですね、真摯な気持ちでやり取りしないと。(泣)

結局、アカイカだけを持って帰りました。

12kgの大物でした。





コメント一覧

へなちょこカゴ釣り師2022年12月1日 5:06 PM /

さっすが!

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